風邪〜レイ〜

くしゅん!

 ネルフの更衣室。一人実験が終わったレイは制服に着替えている途中、大きなクシャミをした。

くしゅん!

 口に手をあてウィルスを飛ばさないように、可愛いクシャミ、誰かさんとは大違いである(○○三佐)

「・・・・クシャミ・・・・・」

 何事も無かったように更衣室をでるが・・・・

くしゅん!

 もう一度大きなクシャミ。

「・・・・・これは何?体が熱い?・・・・・異常なの?・・・・」

 風邪をひいたようである。

くしゅん!

 止らないクシャミ、風邪とわからないレイは困った。

「・・・・止らない、異常・・・・どうしよう・・・・・

 今まで体験した事がない異常(風邪)に、廊下を行ったり来たりして戸惑う。

「こんな時・・・・・・・・!くしゅん!

 思いついたのかある場所を目指して歩き出した。

 とことことことこ

くしゅん!

 とことことことこ

くしゅん!

 クシャミと同時にある部屋の前で立ち止まった。どうやらついたようである。そこはリツコの研究室。

「赤木博士、失礼します」

「レイ、どうしたの?」

 一息ついていたのだろうか、リツコはコーヒーを口に運んでいた。

「・・・・体が異常なんですくしゅん!クシャミが止らずくしゅん!体が熱いんです」

 苦笑した。クシャミをして体が異常と訴えるレイ、当然と言えば当然であるが、リツコは常識をもっと沢山教えようと思った。

「ふふ、レイそれは風邪よ。こっちにいらっしゃい」

「風邪?」

「そうよ」

 レイの額に手をあて、自分の額にも手をあて体温を比べる。

「風邪ね、すこし熱いわ」

「風邪・・・・熱い・・・・・私は風邪くしゅん!

 風邪がどういうものかレイの頭にインプットされた。

「このくらいなら薬を飲んで、寝ると良くなるわよ。隣の仮眠室で休んでいきなさい」

「はい」

 リツコはいつも自分専用の仮眠室にレイをつれて行った。

「制服のまま寝るのもいけないから、少し大きいけど私のパジャマでいいわね」

「はい」

 仮眠室とは言えない豪華なリツコ専用の仮眠室。見まわすと家電製品、リビング、台所がありほとんど家である。職権乱用でここまで豪華にしたのであろうか?それは秘密である。

「寝ておくのよ」

「はい」

 だぼだぼのシルクのパジャマに着替えると、ボーとしながらふかふかのベットに入った。リツコは研究室に戻った。

「気持ちいい・・・・・」

 シルクのパジャマの肌触りに、柔らかいベット。レイはすぐに眠りに落ちた。

 

 

 

「・・・・・・・風邪・・・・体の異常・・・・・熱い・・・・・・熱くない」

 何時間眠ったのだろうか、目を覚まし上半身を起こす。

「・・・・・・・・」

 寝ぼけ眼で辺りを見まわす。

「・・・・・・ここどこ?・・・・・・・赤木博士の職権乱用のお部屋」

「レイ〜、何その職権乱用の部屋って言うのは?」

 起きたと同時に良いタイミング?でリツコがやって来た。

「な、なんでもありません」

「ちゃんとした仮眠室なのよ。お腹空いたでしょ、食べなさい」

 リツコはおかゆを作って持ってきたのだ。

「はい」

「熱いから、よく冷まして食べるのよ」

「はい」

 フーフーして口に運ぶ。

「・・・美味しい」

「当然でしょ。私が作ったんだから」

 リツコは自慢気に胸を張った。

「食べたら、薬を飲んでお風呂に入りなさい。体が汗だらけでしょう」

「はい」

「下着は出しとくのよ。洗っておくから」

「はい クス」

 レイはおかゆを飲みこむと小さく笑った。

「ん?何がおかしいの」

「赤木博士、お母さんみたい」

 リツコはカアーと耳まで赤くなった。

「わ、わ、私はそこまで歳を取ってはいないわよ。せめてお姉さんと呼びなさい」

「クス はい」

 レイは『お姉さん』と強調された事にまた笑う。

「レイ〜お姉さんて呼ばないと改造するわよ」

 顔は笑っているのだが目が笑っていない、レイの全身から血の気が引いた。

「お、お、お姉・・・・」

「そ、そうよ」

「お。お。お、お姉さん」

「やればできるじゃない」

 リツコは微笑むとレイの頭を撫でた。言わせたのだが。

(私、今ウソをついたわ・・・・・やっぱりお母さんかな)

 言葉に出すと恐ろしいので考えるだけにしたのであった。


 風邪、レイバージョン。レイが風邪なのでシンジが看病してLRSと期待したアヤナミストの方々ごめんなさい<_>

 LRSの風邪バージョンは『EVA CHANGING』レイ編で読んで下さいね。

 看病はリツコ、う〜〜ん二人を描くと、どうしても親子になってしまいます。まあこれもいいかな。

 リツコの仮眠室は描いてあるように凄く豪華です。職権乱用は間違いなし!でも痕跡はMAGIで消されてしまいわかりませんので問題ありません。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 風邪〜レイ〜